日本鉄バイオサイエンス学会

Membrane lron Tansporter 研究の進歩 :抄録


トップページ >> BioIron2007京都フォローアップシンポジウム >> Membrane lron Tansporter 研究の進歩 :抄録 【2008/02/28】

Membrane lron Tansporter 研究の進歩 :抄録

 演者:軍神 宏美 (マサチューセッツ大学 准教授)

鉄の吸収に関する情報は、ここ10年間で、飛躍的に分子レベルで解明されてきた。

中でも小腸上皮細胞刷子縁膜に存在するDMT1は、2つのグループから独自の方法論に則してクローニングされ、1997年、ほぼ同時に報告された。

DMT1は、2価の金属とH+とが共役し、細脳内に金属を取り込むトランスポーターである。

DMT1は、小腸上部に著しく発現し、鉄が欠乏すると、DMT1のメッセージは激増する。

また、DMT1は、小腸以外に、赤血球からの鉄の取り込みに深く関わっている。

DMT1以外にも、鉄トランスポーターとして、Fpnが重要な役割を果たしている。

ただし、Fpnは、DMT1と異なり、鉄の移出を司る。

すなわち、Fpnは小腸上皮細胞側底膜にあって、DMT1によって刷子縁膜側から取り込まれた鉄を生体側に受け渡す。

ジーンターゲティング法を用いて作製したノックアウトマウスから、DMT1は、小腸上皮細胞刷子縁膜での主要な鉄のトランスポーターであるが副次的な分子も存在しうることが示唆された。

一方、Fpnは、小腸上皮細胞側底膜固有のトランスポーターであることが示された。


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