日本鉄バイオサイエンス学会

ヘプシジンと腎性貧血、最新の知見 :抄録


トップページ >> BioIron2007京都フォローアップシンポジウム >> ヘプシジンと腎性貧血、最新の知見 :抄録 【2008/02/28】

ヘプシジンと腎性貧血、最新の知見 :抄録

 演者:友杉 直久(金沢医科大学 教授)

ヘプシジンの過剰産生け、過剰鉄、炎症、さらに骨髄造血機能低下などの状態で誘導され、貯蔵鉄を利用できない機能的鉄欠乏状態に陥らせる。

これは、血液透析患者の皆既貧血でしばしば認められる病態である。

そのため、貯蔵系鉄を造血系鉄にシフトさせる工夫が治療に求められている。

理論的には、骨髄造血機能低下状態を改善させ、それに伴い必要とされる鉄を貯蔵鉄から補給し、それでなお造血に不足する鉄量を静脈投与することが基本である。

造血機能は、透析条件とエリスロポイエチン投与で改善させ、鉄シフトは、血清活性型ヘプシジン・25と、フェリチンの推移から把握する。

鉄過剰状態では活性酸素・フリーラジカルの発生で組織が障害され、臨床的には肝機能障害、糖尿病、色素沈着、関節痛、心筋障害、内分泌腺障害などを引き起こすことが知られている。

不要な鉄投与を避けるため、血清活性型ヘプ シジン・25評価を加味した鉄投与基準を作成する必要がある。


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