日本鉄バイオサイエンス学会

C型慢性肝炎に対する補助治療としての瀉血(しゃけつ)

C型肝炎の補助治療、瀉血(しゃけつ)
C型肝炎では、肝臓に蓄積された鉄分により活性酸素が発生し、肝炎症状の悪化を招きます。
このため肝臓に蓄積された鉄分を減らすために通常は鉄分を含む食品を取らないようにして症状の悪化を食い止めますが、既に鉄分が過剰に蓄積されている状態では、通常の新陳代謝ではなかなか状態が改善しない事があります。
よって、瀉血によりヘモグロビンの形で多量の鉄を内部にもつ赤血球を体外に排出させ、体内の鉄の総量を減少させる治療が行われる訳ですが、これは、あくまで肝炎の進行を抑え肝硬変及び肝がんへの移行を防ぐための治療法であり、肝炎自体の治癒を目的とするものではありません。 これ以上の悪化を防止する、という措置における一つのアプローチとなっています
瀉血治療を希望される患者さんとその家族の方々へ
瀉血治療を希望される方は、まず主治医に相談してください。保険診療は認められますが、医療機関によっては実施の準備が整っていない施設もあります。
C型慢性肝炎には極めて難治性のものから、治療の不必要な軽微なものまであります。
瀉血治療の対象は、インターフェロンが無効であったか、その副作用が強くて中断された患者さんで、内服薬治療であるウルソデオキシコール酸(熊の胆の主成分)の600mg/日を継続していても血清ALT(GPTとも呼ぶ)値が正常化しない方です。血清ALT値を下げる治療には週3回ぐらい通院して静脈注射を繰り返す方法もあります。
瀉血治療は、わが国では特殊な治療に属します。欧米人にはヘモクロマトーシスという鉄の蓄積する遺伝性疾患が多くあり、どこの病院にも瀉血をするコーナーがあります。
しかし、日本人にはこの病気がほとんどなく、これもめずらしい多血症の患者さんが唯一の治療対象であったという医療事情があり、一部の施設ではまだ患者さんの希望に副えません。もし、現在の医療機関に瀉血治療体制が整っていないのであれば、肝臓専門医のいる施設に尋ねてみてください。

愛知学院大学 薬学部 薬物治療学講座 林 久男 教授 著

C型慢性肝炎患者さんの治療にお困りの主治医の先生へ

C型慢性肝炎に対する瀉血治療については下記の書籍を参考にしてください。


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