日本鉄バイオサイエンス学会

2014年 新年の御挨拶

日本鉄バイオサイエンス学会 理事長 豊國 伸哉

新年あけましておめでとうございます。

日本鉄バイオサイエンス学会のみなさまにおかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます

2013年4月から本学会は一般社団法人となり、社会に認められる存在となりました。本学会は将来的に、もっと「生体鉄」に関する情報を社会に還元していく媒体になっていく必要があるかと考えています。また、鉄に興味を持ってもらえる若手の研究者や臨床医の育成も喫緊の問題でしょう。

鉄なしで生きることのできる独立した生命体は、今のところ、地球上には存在しません。実際、バイオ鉄の問題は、ほとんどすべての生命に関係した学会で論じられています。しかしながら、バイオ鉄に関する専門家が一堂に会して、深い議論をすること、基礎から臨床・政策へのトランスレーショナルな方法論を模索し、認識を共有することこそが必要だと考えています。この意味において、会員のみなさまには、お近くの鉄の問題に興味を持つご友人を是非この学会に連れてきていただければと考えております。

鉄の問題に関してはいろいろな分類法があるとは思いますが、この学会で扱うのは、1)欠乏、2)過剰、3)分布異常(制御異常)、4)他の分子・シグナルによる修飾・制御、5)環境(種間)問題 あたりに分類されるかと思います。純粋な意味での「過剰」はサプリメントの問題になるでしょうか。鉄制御に関わる分子の発見は、この10年間に急速な進展がみられましたが、おそらくさらにいろいろな分子の関与がわかってくるでしょう。ただ、食餌からのヘムの吸収経路など、本当に根幹にかかわることがわかっていないのも事実です。さらに、基礎研究が充実することが望まれます。

今年は、地震・津波からの復興の著しい東北・仙台の地で、東北大学大学院医学系研究科 張替秀郎教授のもとに学会が開催されます。ひとりでも多いみなさまの、日頃の成果をもっての御参加を心よりお待ちしております。

また、12月から開始しましたメーリングリストの原稿も常時、募集しております。事務局の方へいつでもお送りください。日本は2020年の東京オリンピックへ向かって上り坂だと思います。2014年が、みなさんにとりまして最良の年となりますよう、心よりお祈りしております。

2014年1月5日

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