日本鉄バイオサイエンス学会

2017年 新年の御挨拶

2017年 申年

年頭のご挨拶

日本鉄バイオサイエンス学会 理事長 豊國 伸哉(名古屋大学医学系研究科 教授)


新年を迎え、会員のみなさまにおかれましては、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。今年のお正月休みは6日間と例年より短かったですが、日本各地で好天に恵まれました。2017年、本学会をさらに発展させ、学際性を高め社会に貢献できる存在にしていくよう努力する所存ですので、会員のみなさまの御協力、御支援を賜りたく、心よりお願い申し上げます。

地球上のすべての生命体は鉄なしに生きることはできないため、鉄代謝は生物学・農学・薬学・医学などのほぼ全バイオ領域に関連してきます。バイオ鉄研究の内容はさまざまな本学会より大きな学会でも論じられておりますし、特定の酵素、化学反応や治療法に関する、小さな学会や研究会でも論じられています。

私からのお願いは、バイオ鉄に関する研究を他の学会でも多数発表していただき、バイオ鉄研究の重要性を広めていただきたいということです。また、他の学会からの新しい内容を鉄バイオサイエンス学会にも是非持ち帰って発表していただきたいと思います。そして、この学会をバイオ鉄研究のメッカならびに坩堝(るつぼ)にしていただきたいと願っております。

鉄代謝研究会としてスタートした本学会も新旧交代の時期にきているように思いますが、昨年度は日野啓輔理事がバイオ鉄とウイルス性肝疾患に関してAMEDの研究費を獲得され、少しずつですが認知度は上がってきているように感じます。また、ここ数年でコンセプトが確立されてきた新たな細胞死であるフェロト-シス(ferroptosis)が今年あたりブレイクしそうな予感もあります。種々の神経変性疾患や子宮内膜症など過剰鉄との関連が明らかでありながら本学会の存在さえ知らない研究者もまだまだ沢山おられると思います。バイオ鉄に興味を持つ若手をひとりでも多く本学会にお誘いいただきますよう、会員のみなさまの御協力をよろしくお願いいたします。

今年の日本鉄バイオサイエンス学会は東京女子医科大学血液内科の田中淳司教授のお世話で9月23日〜24日に東京で開催されます。会員の先生がたの多数の御参加をお待ちしております。また、5月7日〜11日にはUCLAで2年に1回のIBISも開催され、なんと3月31日までlate-breaking abstractは受け付けるようです。

末筆になりましたが、本年も会員各位におかれましては、健康と安全に十分に留意され、ますます御活躍になることを祈念しております。

2016年1月5日

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