日本鉄バイオサイエンス学会

2.人体の鉄分量

人体の鉄はどうなっているか


人の体の鉄は、成人男性を例にとると、3,500から5,000mgあるといわれています。

そのうち 2/3が赤血球のヘモグロビンのなかにあります。

そのほか、1,000mgが肝臓に貯えられており、貯蔵鉄と言われています。

鉄が不足したときの貯えになっています。

人の体で鉄分が不足してくると、まず貯蔵鉄が減ってきます。

赤血球の鉄はまだ減っていませんから、貧血のない鉄欠乏の状態です。

そして、さらに鉄が減ってくるとヘモグロビンの鉄も減り、貧血になります。これを、鉄欠乏性貧血といいます。

このほか、鉄は少量ですが、皮膚や粘膜の組織、細胞の代謝に必要な物質の中にも含まれており、生命を維持するのに不可欠です。

写真は、鉄欠乏性貧血の方の爪ですが、鉄が不足するともろくなり反り返って匙(さじ)のようになり、匙状爪(さそうじょう:先がスプーン状に反り返っている爪)といっています。

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