人体の鉄はどうなっているか
人の体の鉄は、成人男性を例にとると、3,500から5,000mgあるといわれています。
そのうち 2/3が赤血球のヘモグロビンのなかにあります。
そのほか、1,000mgが肝臓に貯えられており、貯蔵鉄と言われています。
鉄が不足したときの貯えになっています。
人の体で鉄分が不足してくると、まず貯蔵鉄が減ってきます。
赤血球の鉄はまだ減っていませんから、貧血のない鉄欠乏の状態です。
そして、さらに鉄が減ってくるとヘモグロビンの鉄も減り、貧血になります。これを、鉄欠乏性貧血といいます。
このほか、鉄は少量ですが、皮膚や粘膜の組織、細胞の代謝に必要な物質の中にも含まれており、生命を維持するのに不可欠です。
写真は、鉄欠乏性貧血の方の爪ですが、鉄が不足するともろくなり反り返って匙(さじ)のようになり、匙状爪(さそうじょう:先がスプーン状に反り返っている爪)といっています。