第47回日本鉄バイオサイエンス学会学術集会開催に際して(会長2名)
川端会長挨拶
この度、第47回日本鉄バイオサイエンス学会学術集会のお世話をさせていただく岡山理科大学の川端晃幸です。私ひとりでは全くもって心もとないので、岡山大学の大原利章先生と共同開催とさせていただきました。2023年9月2日(土)- 3日(日)、岡山理科大学40周年記念館(岡山市北区)での開催を予定しております。
今回の学術集会のテーマは ”山鳥毛の正覚” (さんちょうもうのしょうがく)とさせていただきました。山鳥毛(国宝 ”太刀 無銘一文字”)は、鎌倉時代中期.備前国福岡の地(現、岡山県瀬戸内市の一部)で活動していた刀工集団 ”福岡一文字派” が生み出した屈指の名刀で、華やかな刃文が特徴的なため山鳥毛と呼ばれているそうです。
ちなみに、岡山県で見られるヤマドリ Syrmaticus soemmerringii はシコクヤマドリ S. s. intermedius という亜種だそうです。この名刀が最近クラウドファンディングを使って故郷の瀬戸内市に帰ってきたました。
近年、基礎研究分野として鉄代謝に関連するさまざまな分子がつぎつぎと明らかとなっているだけでなく、鉄代謝と関連が深い HIF-PH 阻害薬が臨床応用もされるようになってきました。
この学術集会が新しい鉄研究の芽生え ”The Iron Awakens” に貢献できればとこのテーマとしました。
学会が孵化して成長していくためには、若手研究者の育成と多様性の包含が最低限必要と考えます。この学会はコンパクトなゆえに、密度の濃い議論が可能になっています。若い研究者の方々の研究を温かい目で批評することで、その研究をより一層発展させていただくことが可能になると思います。完成された研究でなくても結構ですので、視点の異なる新しい研究を発表していただければと思います。また、多様性の乏しい生物は新しい環境に適応できず絶滅していく傾向が強いそうですので、あらゆる生命科学分野の鉄に関する発表を広く募集したいと考えています。さまざまな分野からの発表をお待ちしております。
なお、今回こそは、学術集会、情報交換会ともに正常な形式で開催することを目指しております。学会を成功させるためには多くのみなさまの温かいご支援が必要です。ぜひ、岡山の地に足を運んでいただいて、鉄に関する熱い議論ができることを楽しみにお待ちしております。みなさまのご協力をよろしくお願い申し上げます。
令和四年九月吉日
第47回日本鉄バイオサイエンス学会学術集会
会長 川端 晃幸
岡山理科大学大学院理工学研究科
大原会長挨拶
この度、第47回日本鉄バイオサイエンス学会学術集会を、岡山理科大学の川端晃幸先生とともに開催させて頂く事になりました。身に余る光栄であり、皆様に厚く御礼申し上げます。
日本鉄バイオサイエンス学会は学際的な研究団体で、医歯薬学のみならず生化学、農学・植物学、微生物学など幅広い研究者が所属しています。
鉄は約46億年前の地球の誕生時から存在しており、生物はその発展の過程で様々に鉄の利用を高度化させる事で進化を遂げてきました。
多くの生命現象は鉄と関連があり、また様々な疾患においても鉄との関連が指摘されています。このため、様々な領域で鉄について研究が行われる事は道理であり、幅広い分野から鉄研究についての英知を集め、さらにその成果を各研究者に還元し、融合させていくことは人類にとって大切な営みであると感じます。
今回の学術集会のテーマは「山鳥毛の正覚」とさせて頂いております。岡山は古くは吉備の国としてたたら製鉄の盛んな土地であり、その土壌から名刀「山鳥毛」が生み出されました。
また、当地は本学会の前身の鉄代謝研究会の発祥の地でもあり、鉄とゆかりの深い岡山で鉄についての知見が共有される事で、さらなるイノベーションの促進が期待されます。
さて、本学術集会では、基礎から臨床までの広い領域をカバーしており、これまでの研究の発展と、新しい鉄研究の分野についてもお話を聞けるようにしていきたいと考えております。会場の岡山理科大学からは岡山平野を一望する事ができ、素晴らしい景色を眺めながら、若手からベテランまで一緒になって鉄について熱い議論ができる事を期待しております。皆様方のご健勝とご発展を心よりお祈り申し上げます。
第47回日本鉄バイオサイエンス学会学術集会
会長 大原 利章
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科