女性の鉄欠乏がなぜこんなに多いのでしょうか。
それは食事からの鉄の摂取が少ないことに原因があります。
成人男性では、1日あたり10mgの鉄を摂る必要があります。
女性では、生理、妊娠、分娩、育児がありますから、男性より多く15mgくらいはとる必要があります。
ところが、実際には平成16年の厚生労働省の調査で、男性で1日あたり8.1mg、女性で7.7mgの鉄しか摂っておらず、とくに鉄を必要とする20歳台で6.9mg、30歳台で7.0mgと、必要量の半分にしか達していません。
したがって、女性の半数が鉄欠乏ということになります。しかも、食事からの鉄の摂取は年々減り続けています。飽食の時代といわれていますが、鉄だけは例外なのです。
では鉄欠乏にどう対応したらよいのでしょうか
どう対応したらよいかはそれぞれの欠乏の状態によって異なります。
- 貧血のない鉄欠乏の場合
- 貧血にならないための予防が中心になります。
- 食事からの鉄の摂取をふやすことにつきます。
- 鉄欠乏性貧血の場合
- ヘモグロビン値10g/dl以上あれば、鉄欠乏の場合に準じます。
- ヘモグロビン値10g/dl未満になれば、薬か注射による治療を行ないます。