鉄欠乏にならないための対策
鉄を多く含む食品を上手にたくさん摂ってください。
鉄を多く含む食材ですが、まず、レバーは鉄の貯蔵場所ですから有効です。
また、肉類はなかにふくまれる血液(ヘム鉄と言います)が鉄に富んでおりよく吸収されます。
海草(ひじきなど)や青味の野菜(非ヘム鉄と言います)にも鉄は多いのですが、吸収効率が肉類ほどよくはありません。
ビタミンもたくさん摂りましょう
ビタミンCは鉄を吸収されやすい形に変えたり、鉄の利用効率をよくします。
最近、多くの人がダイエットに挑戦して食事を控え勝ちですが、貧血の予防には良くありません。
また、ファストフードや外食、中食(なかしょく:お惣菜やさんからいろいろ買ってきて家で食べる)の比率が多いのも鉄の摂取には良くありません。
昔、家庭で鉄鍋や鉄瓶でじっくり調理したものからは、鉄分が多く摂れたといわれています。
最近の鉄の摂取不足は、こういうところに原因があるのかも知れません。
鉄を含む健康食品やサプリメントはどうでしょうか?
これは鉄不足に有効と考えられます。
欧米の鉄欠乏性貧血の少ない国では、サプリメントの使用が、人口の20~30%にもおよんでいます。
これに比し、先の国民健康・栄養調査では、2~3%にすぎずほとんど意味をなしていません。もっと意識を高める必要があります。
鉄添加食品とは
欧米では、1940年代に鉄欠乏性貧血が多く、対応に苦慮した時代がありました。
そのとき貧血の予防対策として、国の方策で小麦粉などにあらかじめ鉄をいれておくことが行なわれるようになり、現在、世界各地で行われています。
材料の小麦粉に鉄をいれると、パンやクッキーを食べて鉄が摂れるという訳です。
この方策により鉄欠乏の頻度が多いに減少しました。
現在、表の国々でいろいろのものに鉄が添加されていますが、日本では行なわれていません。
わが国でも厚生労働省あたりで検討する必要があるのではないでしょうか。
世界で行なわれている鉄添加 | |
小麦粉: | 米国、英国、カナダ、トルコ、タイ、スリランカ、中南米22カ国 |
精製糖: | グアテマラ |
とうもろこし粉: | ベネズエラ、メキシコ |
鉄タブ、シロップ: | ブラジル |
塩: | モロッコ |
米: | フィリピン |
ナム、チャパチ: | パキスタン、ネパール |
醤油: | 中国 |
ナンプラー(魚醤): | ベトナム |