第50回学術集会:会長挨拶

第50回 日本鉄バイオサイエンス学会学術集会

会長 鈴木 隆浩

(北里大学医学部 血液内科学 主任教授)

このたび、2026年9月5日(土)および6日(日)の2日間にわたり、北里大学白金キャンパスにおいて、第50回日本鉄バイオサイエンス学会学術集会を開催させていただくことになりました。

鉄は酸化還元反応を介して生命活動を司る極めて重要な元素であり、ヒトを含めた様々な生命体にとって必要不可欠のものです。鉄はヘモグロビンの構成要素であり、酸素との結合を介して全身に酸素を分配するとともに、細胞内では様々な酵素に組み込まれて複雑な化学反応に関与しています。このため、鉄欠乏はヘモグロビンの低下によって貧血を引き起こすとともに、細胞機能の低下から様々な臓器障害の原因となります。一方、鉄過剰は過剰鉄が酸化還元反応に関与することで活性酸素を産生し、核酸や細胞膜を傷害することによって、遺伝子変異や細胞傷害を引き起こし、発がんや臓器障害の原因になっています。

また、近年鉄に依存する細胞死、フェロトーシスという概念が提唱され、癌治療や神経変性疾患における鉄の重要性が注目されています。

本学会では、発足以来このような多彩な作用を持つ鉄が生物に与える影響について、医学や生物学はもちろんのこと、農学、工学に至るまで幅広く研究発表の場を提供し、動物、植物を問わず、広く生命と鉄に関する学際的研究の進歩、発展に努めて参りました。

本年で学術集会は第50回という節目を迎えましたが、本学術集会が多くの研究者のみなさまの発表、議論の場となり、「鉄バイオサイエンス」の益々の発展に貢献できますことを切に祈念しております。

最後に、本学術集会の開催に際して多大なご支援、ご協力を賜りました、多くの方々にこの場を借りて厚く御礼を申し上げます。

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