新年を迎え、会員のみなさまにおかれましては、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。
2015年、本学会をさらに発展させ、学際性を高め社会に貢献できる存在にしていくよう努力する所存ですので、会員のみなさまの御協力、御支援を賜りたく、心よりお願い申し上げます。
私たちは鉄なしで生きることはできないわけであり、鉄代謝は生物学・農学・薬学・医学のほぼ全領域に関連してきます。バイオ鉄研究の内容は生化学会、分子生物学会、癌学会、病理学会、薬学会、農芸化学会、内科学会などの、本学会より大きな学会でも論じられておりますし、特定の酵素、化学反応や治療法に関する、小さな学会や研究会でも論じられています。
私からのお願いは、バイオ鉄に関する研究を他の学会でも多数発表して宣伝に努めていただきたいと思いますし、また、他の学会からの新しい内容を鉄バイオサイエンス学会にも是非持ち帰って発表していただきたいと思います。そして、この学会をバイオ鉄研究のメッカならびに坩堝(るつぼ)にしていただきたいと願っております。
昨年秋から開始しました学術奨励賞には2名の受賞者がありましたが、そのおふたりの若手研究者が取り組んだ触媒性2価鉄プローブやPCBP2は現在まさしく、バイオ鉄研究における大きな話題となっています。本学会がさらに発展していくためには、いろいろな新しい分野の研究者を取り込んでいくことと、若手研究者の研究力ならびに英語力アップがますます重要になっていくと考えます。
今年は、国際バイオ鉄会議(IBIS)が9月に中国浙江省杭州市浙江大学で開催され、日本鉄バイオサイエンス学会の方は川崎医科大学の日野啓輔教授のお世話で8月29日〜30日に岡山市で開催されます。会員の先生がたの多数の御参加をお待ちしております。
末筆になりましたが、本年も会員各位におかれましては、健康と安全に十分に留意され、ますます御活躍になることを祈念しております。
社団法人 日本鉄バイオサイエンス学会 理事長 豊國 伸哉(名古屋大学医学系研究科 教授)